中年独りもん

会社員の男性同性愛者。

愛読ブログ

ずっと読んでたブログ、去年の今頃、更新がなくなったなって思ってたら、ブログ主さん、死んじゃったって。

 

更新が止まって、ちょっと病気をしても普通な歳だし、入院でもしてるのかなって思ってた。

 

病死だそうだけど、60代の終わりくらいだったんじゃないかな。今どき、死ぬにはまだ若いね。

 

若い頃にヨーロッパやアフリカに行って、暮らしてた人。ブログを書いてる時にはもう帰国してたけど。

 

時系列で経歴が辿れない書き方してたからわからないけど、ヨーロッパに行って、一回帰国して就職して、商社マンとか、そんな感じかと勝手に想像する。

 

数えてみれば、自分は20代から20年間くらい、彼のブログの読者だったな。初めはホームページの形式だったような。だいたい毎週更新されていて、繰り返して読んだ記事も多い。

 

若い頃の海外生活の話、海外での遊びの話、旅行記、映画や音楽、本の話、読んだ読んだ。知的でユーモアがあって、飾ってなくて。パソコンで、スマホで、と20年くらい読んでたんだよ。20年、ちょっとすごいな。

 

亡くなる前の何か月か、彼が高校を出て、陸路ヨーロッパに行った話を長く書いてて、それがネット上の文体じゃなくて、紙の本の旅行記みたいだった。1970年代の話。

 

まだそれほど豊かではなかった日本から、びかぴかの二十歳くらいの若者がヨーロッパを目指す。希望とか無鉄砲とか未来を夢見る感じが伝わって素敵な文章だった。

 

何回かに分けて書かれた、その旅行記のタイトルは「昨日の旅」。

 

初めに読んだ時は、年老いて、人生初めの第一歩、はたちの旅を思い返して、「昨日の旅」とはうまいな、って思った。

 

その後、彼が亡くなったとブログ上に告知されて、「昨日の旅」か、って胸がいっぱいになった。

 

愛読ブログの勝手なじいさん、死んじゃった。タイでボーイさんとさんざん遊んだり、白も黒も、やりたいことは全部やっただろう。一度会ってみたかったな。