中年独りもん

会社員の男性同性愛者。

2020-01-01から1年間の記事一覧

Baby Baby

朝、会社のエレベーターで、前に少しの間同じフロアーで仕事をしていたことがある同僚と一緒になった。 自分より結構年下(子持ち)だけど、他所から来た者同士のせいか、それとも単にお互いそういう性格なのか、顔を合わせると変な気を遣わずにくだらない話…

触れたい

今年の夏休み中は、あれっ静かだな、なんだか人が少ないな、とふと気が付くいつもの盆の時期の感じがなかった。 せっかく帰るところがある人達が、しょうがなく皆東京に閉じ込められているのかな、とか考えた。 小さい一人の用事で外出して昼間の山手線に乗…

握手

自分達のグループしかいなくて、がらーんとした座敷、互い違いに座ってるせいでスカスカな感じになってる卓を囲んで、2つ年上のFさんの送別会をして来た。 コロナでのびのびになっていた退職日がついに来て、お別れだ。 本当なら人気者だったFさんのために皆…

バレた

久しぶりに出勤して、朝の通勤電車に乗った。見渡す限りのマスク顔、話してる人のない、たぶん皆一人客の静かな車内。 くしゃみをしている人もせきをしている人もいなくて、意外にも、今ここで感染することはないなと、満員電車は変な安心感があった。 吊り…

「Call Out My Name」 The Weeknd

家に籠もって人と会わない毎日、暇なもんだからカナダ人青年、The Weekndの歌ばかり聴いている。 ずっと独りでいると、じわじわ気持ちが内向的になってきて、昔のことを思い出したり、素直で根暗な彼の歌が心にぐっと来る。 皆がとっくに寝静まった頃の独り…

頬と頬を合わせて

オンラインでも顔を合わせたら、まずは適当に挨拶話をして冗談だって言い合う。 普段、毎朝会社に着いて、同僚たちの肩をポンボン叩きながら挨拶してたわけじゃないし、あまり何も変わってないような気もする。 狭いオフィスの同じ空間にいないのは確かだけ…

The Weeknd

コロナの日々、一人で家にいる時間が恐ろしく長くなって、よく音楽を聴いている。 お気に入りは、The Weekndっていう名義で活動してるカナダ人の歌手で、独特のミュージックビデオは不思議な魅力があって、飽きずに毎日見てしまう。 以前はドレッドヘアだっ…

悲しい

数日前、志村けんさんの感染のニュースを聞いて、それから多くの人と同じように、良くなって欲しいな、死んだら嫌だな、と時よりふっと思い出したりしながら過ごしていた。 昨夜、真偽はわからないけど、彼の病歴や年齢、病院で行われている処置から、もう助…

ワン玉

1月末、出張で訪れた東南アジア、いよいよ中国が段階的に自国民の出国に制限を設け始めた頃。 日本へ戻る時、団体の旅行客がいなくなった現地の空港は来た時より更に空いていて、いつもの喧騒と長蛇の列はなく、閑散としていた。 大きすぎる話し声、落ち着…

やらない二人 「Paddleton」

Netflixで見た、冴えないご近所同士、アメリカの中年男二人の映画「パドルトン」。 安そうな賃貸アパートの1階と2階、異性愛者の男二人が、毎日淡々と、しょうもない勤めに家を出て家に帰る。 やらない二人が毎晩、仲良く片方の部屋のソファで一緒に、だら…

温かい手

なんだかあっという間に1月も終わっていく。席を外している間にデスクに置かれた給料明細の紙を見て思う。 チェック柄の、四隅が糊付けされたコンピューター打ち出しの紙は、もうしばらく開きもせずに家に持って帰るだけなんだけど、もはやこの紙が、自分に…

「スケアクロウ」 Scarecrow

たいてい、乱暴者のアメリカ男役のジーン・ハックマンと、きれいな顔のアル・パチーノの70年代ロードムービー、大好きな映画だ。何回見ただろう。 ファイトクラブのブラピは最高だ!とか小津安二郎の映画はいい!とか、古くても今も見続けられ、語られている…

デミセクシャル Demisexual

自分が高校生だった20世紀、書店には薔薇族だとか、何種類もの月刊誌が並んでいた。 小さくて分厚い、変なサイズの辞書のような本のような、表紙が人物イラストの雑誌。 家に帰る途中、乗り換えのターミナル駅を降りてすぐの小さい本屋、自分は制服姿で、パ…