中年独りもん

会社員の男性同性愛者。

「Call Out My Name」 The Weeknd

家に籠もって人と会わない毎日、暇なもんだからカナダ人青年、The Weekndの歌ばかり聴いている。

 

ずっと独りでいると、じわじわ気持ちが内向的になってきて、昔のことを思い出したり、素直で根暗な彼の歌が心にぐっと来る。

 

皆がとっくに寝静まった頃の独りの部屋とか、The Weekndの曲は、いつも太陽が出てない時間の空気がある。

 

歌詞にたいてい風景描写がないけど、どの曲も、特にこの「Call Out My Name」 は、聴いていると、誰もいない夜の街を一人で寄る辺なく歩いている感じが頭の中に浮かんでくる。(MVもそういう感じ)

 

小柄で童顔の黒人青年が、別れた女の子に残ったままの心を切々と歌い上げているのに、歌って不思議なもので、日本の中年が聴いていると、容易く新宿あたりのあの街、あの頃、「男と男」という像に頭の中で変換されてしまう。

 

せっかく女の子を思う男の心を歌ったのに申し訳ない気もするけれど、おじさんの頭の中で男二人になっちゃうのは、たぶん本当にいい歌だからなのかな、なんて思う。

 

あの街の「男と男」の恋は、いつもバランスが悪くて、どっちかが苦しい恋だったな。

 

20代の昔、きちっと会社勤めしている普通な感じの友達が、かっこいい、でもちょっといい加減な男と付き合って、苦しい恋をしてたのを思い出す。

 

恋の終わり、相手に踏み台にされたように感じたり、お前を1番にしたのに、みんなにも付き合ってるって言っちゃったのに、なんで?とか。

 

優しくキスをした時は、自分の名前をでかい声で呼んで欲しい。自分のことがもう好きじゃないって分かってるけど、別れたくない。

 

こんな歌詞が、あの街の男二人を歌ってるみたいで切ない、ぐっと来る。